ReDef

障害者雇用のためのリーダーシップの役割

 障害者の雇用とインクルージョンを成功させるためには、リーダーシップの果たす役割が極めて重要です。以下は、リーダーが取り結ぶべき役割と具体的なアクションを解説します。

ビジョンの設定

 リーダーは組織の方向性を明確に示すため、障害者雇用の意義とわかりやすい目標を認識する必要があります。たとえば、大手企業のCEOが「5年以内に障害者の雇用率を10%にする」と公言することで、組織全体がその方向へと動き始めました。まずは、リーダーの意志決定し、発信することが重要です。

教育とトレーニング

 従業員が障がいのある人とのコミュニケーションを円滑に取るため、トレーニングや教育を提供する必要があります。障がいのある人とのコミュニケーション方法や、アクセシビリティツールの使い方を学ぶセミナーを定期的に実施することが推奨されます。

リソースの配分

 障害者の採用とサポートに必要なリソースを適切に確保します。例えば、産業医との連携や、組織内部のハード面の改善、就業規則などソフト面の改善などが当たります。

成功事例の共有

 障害者が組織内での成功を収めた場合、その事例を他の従業員と共有することが大切です。社内ニュースレターや会議でその成功事例を積極的に発信すれば、組織関係者がリアリティのあるインクルージョンを知ることができます。

フィードバックの促進

 障害者の従業員からの声をしっかりと受け止め、それを組織の改善に活かします。具体的には、障害者の従業員向けに匿名フィードバックボックスを設置し、また、定期的な1対1のミーティングを行うことが求められます。

長期的なコミットメント

 障害者の雇用に対する取り組みを持続的に継続し、その成果を報告します。企業のCSR報告書に障害者雇用の取り組みと今後の方針を明確に記載し、社外へもその取り組みを公表することが大切です。

 障害者の雇用とインクルージョンの成功は、リーダーシップの強い意志と実際の行動によって実現されます。以上のポイントを参考に、組織全体の意識を変え、障害者の真のインクルージョンを目指してください。

投稿者のご紹介

合同会社ReDef・代表社員
兼松勝之介

 医療系国家資格である理学療法士を取得後、大手医療機関でリハビリテーション業務に従事。中途障害者の社会復帰を支援する地域資源に課題を感じ、合同会社ReDefを設立。全国20箇所以上の障害福祉サービス事業の開業・運営監修を経験し、現在は障害者と企業の業務連携促進事業を通じて、企業の本質的な障害者雇用を支援する。