ReDef

障害者雇用を通じたイノベーションの促進

 イノベーションは企業の成長と競争力を維持するための鍵です。そして、意外にも、障害者の雇用はそのイノベーションを強力に後押しする要因となり得ます。なぜ障害者の雇用がイノベーションに繋がるのか、以下の点を詳しく解説します。

多様性の拡大

 異なる背景や経験を持つ人々が集まることで、新しい視点やアイディアが生まれます。障害者は特有の経験や考え方を持ち込むことができ、それが新しい製品やサービスのアイディアへと繋がります。例として、あるテクノロジー企業では、視覚障害者の意見を取り入れて、より直感的なインターフェースを開発したというケースが報告されています。この視点は、視覚障害者のみならず、同じく視覚的認知に課題の有る高齢者に対するユーザビリティの向上という、間接的な付加価値につながる結果がうまれました。

アクセシビリティの向上

 障害者を雇用することで、製品やサービスのアクセシビリティ向上の必要性が浮き彫りになります。障がいのある顧客層へのサービス提供が容易になるだけでなく、通常の顧客に対しても利便性を向上させることができます。

チームの柔軟性

 障害者を取り入れることで、チームは新しい方法やアプローチで問題を解決する柔軟性を持つようになります。常態化している観念に対して、これらのアプローチは、いわゆるブレイクスルーとなる可能性があります。普段から現状に疑問を持つ柔軟な組織は、時に困難な状況や急な変化にも対応できる組織文化の構築に繋がります。

企業ブランドの向上

 多様性を尊重し、障害者の雇用を積極的に進める企業は、顧客やビジネスパートナーからの信頼を得やすくなります。これは新しい市場への進出やビジネスチャンスの拡大にも寄与します。

新たな市場の開拓

 障害者の雇用を通じて、障がいを持つ人々のニーズをより深く理解することができます。これにより、新しい市場や顧客層へのアプローチが可能になります。

 イノベーションは、新しい視点や考え方、異なる経験を元に生まれます。障害者の雇用は、その多様性を高め、企業全体をより創造的で競争力のあるものへと導きます。

投稿者のご紹介

合同会社ReDef・代表社員
兼松勝之介

 医療系国家資格である理学療法士を取得後、大手医療機関でリハビリテーション業務に従事。中途障害者の社会復帰を支援する地域資源に課題を感じ、合同会社ReDefを設立。全国20箇所以上の障害福祉サービス事業の開業・運営監修を経験し、現在は障害者と企業の業務連携促進事業を通じて、企業の本質的な障害者雇用を支援する。