障害者は固有の視点と経験を持ち、その潜在能力はビジネスにとって大きな価値を持つことがますます認識されています。企業がこの潜在能力を適切に活用するためには、以下のステップを踏むことが有効です。
理解と敬意をもって接する
まず、障害者は自己表現と自己達成の可能性を秘めた個々の人間であることを認識することが重要です。その能力と貢献は障がいの種類や程度ではなく、彼ら自身の特性やスキルによって決まります。
障害者を受け入れるための教育と研修
障がいに対する理解を深めるためには、教育と研修が必要です。よく勘違いされていることがあります。障害者に対する研修として、優先的に実施されるのが「人権や権利」といった内容であることです。もちろん大切で、企業は個々の障害者にもフラットな権利があることを理解する必要があります。ただし、企業が障害者を雇用するうえでは、もっと本質的な課題があります。それは、企業自体が自社の業務を定義できていないことや、なりゆきの業務遂行が中心であることです。障害者を企業内でワークさせるためには、障がいの特性を理解し、彼らの特性と業務特性の親和性を客観的に測定して進めることが必要です。
職務と能力のマッチング
障害者が最大限のパフォーマンスを発揮できるように、彼らの特性、スキル、そして興味に合った職務を見つけることが重要です。これには、彼ら自身のキャリア目標や希望を尊重することも含まれます。
アクセシビリティと支援の確保
障害者が自分の能力を最大限に発揮するためには、職場環境、技術、そしてサポートが適切であることが必要です。これには、物理的なアクセシビリティ、必要な支援技術の提供、メンターシップ、そして必要に応じた勤務体制の提供が含まれます。
パフォーマンスの評価とフィードバック
障害者のパフォーマンスを公正に評価し、適切なフィードバックを提供することで、彼らの成長と達成感を支援します。例えば、定期的な1on1面談の実施は効果的です。また、障害者が自社に雇用される前に福祉サービスを利用している場合は、一定期間の支援を受けることができます。これは、彼らの自信とモチベーションを高め、さらなる成功への道を開きます。
キャリア開発と昇進の機会
障害者にもキャリア開発と昇進の機会を提供することで、彼らの潜在能力を最大限に活用します。これには、スキル開発のための教育と研修、メンターシップ、そしてリーダーシップの役割への昇進の機会が含まれます。
これらのステップを踏むことで、企業は障害者の潜在能力を活用し、ビジネスの競争力を高めることができます。
合同会社ReDefは、企業の本質的・実践的な障害者雇用について取り組んでいます。全国の企業と連携事例が増えています。関心の有る方は、お気軽にお問い合わせをください。
投稿者のご紹介
合同会社ReDef・代表社員
兼松勝之介
医療系国家資格である理学療法士を取得後、大手医療機関でリハビリテーション業務に従事。中途障害者の社会復帰を支援する地域資源に課題を感じ、合同会社ReDefを設立。全国20箇所以上の障害福祉サービス事業の開業・運営監修を経験し、現在は障害者と企業の業務連携促進事業を通じて、企業の本質的な障害者雇用を支援する。